No.26
6月15日、16日と「第36回日本小児科医会総会フォーラム」が神戸で開催されました。
当院も開院して、3年目に入ったのと、神戸で開かれるのもちょうどいい機会かと思い、開院後の経過について発表することにしました。
発表内容はとくに何か目新しいものがあるわけではなく、開院後2年間の経過をまとめただけです。病院勤めをしていた頃は、年に数回は学会や研究会での発表や講演のようなものをしていたのですが、今回は本当に久しぶりの発表で、内容的にも薄いものなので、どうなるものかと思っていましたが、一応、終わりました。
実際どうだったのかはよくわかりませんが、いくつか質問もでたので、よしとしておきます。
発表スライドは下に載せておきます。
何のために学会発表をするのかと言われると、何かすごい大発見をしましたとか、新しい治療法をみつけましたというようなことはもちろんないわけです。こんなことやっていますということを外部の先生に知ってもらうとか、他の先生の意見を聞きたいというようなこともあるのですが、自分の中での確認作業を形にするという意味が大きいように思います。日々、自分のやっていることを振り返り、自分の考えをまとめること、今後どうすべきかを考えるということです。ただ単に自分の頭の中で整理するより、人に聞いてもらえる形にまとめることによって、自分の理解がすすみます。
こういったことをやらないと、ついつい日々の診療に流されてしまい、進歩がなくなってしまいます。もちろん、みなさん、普通に勉強されて、診療の質を高めるよう努力されているわけですが、私の場合、何か目標をもって、ある程度自分を追い込んでやらないと、日常のお仕事に流され、いつも通りのことをくり返すようになってしまいます。別にこれで何かが大きく変わることはないのですが、学会に参加して、発表をしたり、論文を描いたり、若い医師の指導を行ったりということで、向上心をもって、医療を行うことができていたように思います。開業前からのここ数年間こういうことがなくなってしまっていたので、学会活動に限らず、地域のネットワーク等でも新しい活動を少しずつでもすすめていけたらと思います。
今回の学会の教育講演で、自閉スペクトラム症児にABA分析に基づいた介入が明確なエビデンスをもって有効であり、とくに2歳までのより早期に行うことが有効であるというお話がありました。また、我が国では、3-4歳以降に、有効であるという根拠のない感覚統合療法が漫然と行われているという問題点を指摘されていました。
感覚統合にエビデンスがないこと、欧米ではあまり行われていないことについては、私もたまに見学にこられる他院の医療従事者や患者さんにも説明しています。ただ、私自身は感覚統合は非常にいいセラピーだと日々の臨床で実感しており、発達段階における必要性をお話しています。
確かに、医療費を含め、限りある医療資源はエビデンスのある治療につぎ込まれるべきです。薬剤や手術などでエビデンスのないものが一般診療として行われたら大問題です。一開業医が有効であると実感していますとか言っても何の足しにもならないのですが、私としては、例えば、感覚統合療法を医療として介入することは重要だと思っていますし、そういう意味でも自分の取り組みを少しずつでも発信しなければいけないのかなと思います。医師としてこの分野にかかわってくれる人が少しでも増えてほしいという思いでの学会発表でもありました。
【公式】尾崎豊 「僕が僕であるために」 (LIVE CORE IN TOKYO DOME 1988・9・12)
【1stアルバム『十七歳の地図』収録曲】YUTAKA OZAKI /MY SONG
著者 たかの発達リハビリクリニック
院長 高野 真
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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午前診 9:00~12:00 |
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午後診 13:30~ 18:00 |
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休診日:水曜、日曜、祝日 |
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