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「読書感想文の書き方」 「読書感想文実践編」・今月の1曲-垂水区|たかの発達リハビリクリニック

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No.14

2024.7
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「読書感想文の書き方」

読書感想文と自由研究は、私の最も苦手な夏休みの宿題でした。昔は夏休み必須の宿題でしたが、最近は、○○か○○か読書感想文、というような選択の宿題となっているところが多いようですね。本を読むのは好きでしたが、なんでこんなもの書かなあかんねん、何を書けばいいのかわからへんといつも思っていました。
大人になって少しは文章も書けるようになったので、今回は読書感想文の書き方を考えてみます。
ただし、今回の読書感想文の書き方は、いい加減でいい、何でも書ければいいという人向けの読書感想文の書き方です。正統派のちゃんとした読書感想文を書きたい人には何の参考にもならないと思いますので、その点、ご了承ください。
では、今でも、「読書感想文」など決して得意ではない私の考える「読書感想文の書き方」です。

 

1. 読書感想文は感想文ではありません。

本を読んでの感想文だとしたら、「おもしろかった」とか「つまらなかった」で終わってしまいます。それ以上書けません。
どこがどうおもしろかったですか、とか、その時、彼(彼女)はどんな気持ちだったのでしょう、もしそれが自分だったらどうですか、それを考えてみましょう、などと言われても、いや、それでどうすればいいのと思ってしまいます。
それは、「読書感想文」は、そもそも、感想を書くという文章ではないからです。

 

2. 読書感想文は何を書いてもいいです。

では、感想文でないとしたら、何なのでしょう。
基本的には何を書いてもいいのです。本を読んでの自由作文です。先生の評価が高いのは、本を読んで、その中の印象的なできごとについて、自分の感想や意見を述べ、それに関係するような自分の生活や気持ちの振り返りを行い、読後のまとめとして、自分の中での変化や今後の自分についてを書くことというようなところでしょうか。でも。別にそんなことを気にすることはないですから、好きなことを書けばいいと思います。
本とはまったく関係のないことでいいです。何でも自分が書けることを書けばいいです。

 

例えば、ゲームが好きで、ゲームのことなら書けるとします(それは、恐竜のことでもいいです)。そうであれば、好きなゲームのことを自由に書けばいいのです。
ただし、一応、読書感想文ですので、自分の好きなことや自分が書きやすいことを書いたら、最後にそれを読んだ本と結びつける必要はあります。そこは少し頭を使いますが、もう無理やりでいいです。無理やりむすびつけて、なんとなく関係あるじゃないかというふうになっていれば上出来です。
では、ゲームのことを書いたのなら、ゲーム関連の本を読めば、元々関係あることだからむすびつけやすいですね、となりますが、それは必ずしもそうではありません。なぜなら元々関係が近いために、なんか関連あるようなことを書いているけど、本の内容とは関係ないじゃないか、内容が近いだけに、焦点がずれていて感想文として成り立っていないとか、感想文が書けないから字数をかせいでいるだけだと、言われてしまうからです。
どちらかというと、自分が書いたこととまったく関係のない本を選んだ方が話がうまくまとまったり、書きやすかったりすると思います。
そして最後には、まとめ的なことはあった方がいいと思います。
では、具体的な書き方を考えてみましょう。

 

 

「読書感想文実践編」

1. 読む本について

私がすすめるようなものではない、オーソドックスなちゃんとした読書感想文を書こうと思うなら、小説はやめた方がいいです。小説や物語の感想文は、本当に、おもしろかったか、つまらなかったしかないので、長い感想文は書けません。いわゆる、ノンフィクションとか、ルポルタージュというか、そういう分野の方がいいと思います。とくに、自分とは意見が違うなとか、ちょっと疑問だな、とかいう本を読んだ方が書きやすいと思います。 一方、私がすすめるような感想文を書くなら、本は何でもいいということになります。好きなことを書いて、むりやりその本と結び付ければいいからです。

 

2. 具体的な書き方

読書感想文の構成は、【1】本の説明・紹介、【2】自分の好きなことを書く、【3】【2】で書いたことと読んだ本を関連付ける、【4】まとめ、です。

 

では、具体的にどう書くかを例を用いて説明してみましょう。何でもいいのですが、みなさんがよく知っている簡単な話ということで、「桃太郎」にしてみます。「桃太郎」を読んでの読書感想文です。

 

【1】本の説明・紹介です。

本のあらすじは書くべきか、書くべきでないか、よく議論になったりしますが、これがどういう本なのかというような要約的なことは書いた方がいいです。
なぜなら、読書感想文にしろ何にしろ、文を書いている意味は、他人に読んでもらう、他人にわかってもらうということだからです。何について書いているのかがわからないと書いている意味がありません。
まず、最初に簡単なあらすじというか、こういう本を読みました、ということを伝える必要があります。ただし、これは、読書感想文を読む人によくわかってもらうために書くものであり、字数をかせぐ目的に書くものではないことは心得ておいてください。

 

僕(私)は「桃太郎」という本を読みました。この本は、桃の中から生まれた桃太郎が、おじいさんとおばあさんに育てられ、鬼ヶ島へ鬼の征伐に行き、財宝を持ち帰る物語です。

 

とりあえず、これだけでいいと思います。長くならないようにするのがポイントです。ここで字数をかせぐようなせこいことをしてはいけません。いかに、簡潔に物語全体をまとめられるかの練習です。

もし、もう少し書きたければ、「川から流れてきた大きな桃の中、男の赤ちゃんがいました。桃太郎と名づけられ、おじいさんとおばあさんに育てられた桃太郎は、鬼ヶ島へ鬼退治に行きます。犬と猿ときじを家来にして、鬼を征伐し、宝物を持ち帰るという話です」というくらいにしてもいいとは思います。

 

【2】次に、自分の好きなこと、自分の書けることを書きます。

好きなことを自由に書いてください、と言われても、まず、それがむずかしいかもしれません。まず、テーマを決めましょう。ゲームでもいいです、野球でもいいです、アニメでも、お人形遊びやマスコット作りでも何でもいいです。とにかく、これについてなら、少し文章を書けるかなということを決めて、それについて書いてみましょう。

 

ところで、僕(私)はゲームが好きです。・・・
とこの後は好きなことを好きなように書けばいいです。例えば、どのようなゲームが好きか、どうして好きか、どこがおもしろいのか、どれくらい好きか、あるいは、やりすぎて、宿題とかやるべきことができないとか、やりすぎて、どんなふうに親におこられるか、そして、どう親に反発しているか、などなど好きに書けばいいのです。
ただ、何でもかんでも書けばいいというものではないので、ポイントを1つか2つに絞りましょう。

 

【3】それを、読んだ本の内容に結びつけます。

これも、適当、強引にやればいいです。
例えば、

 

川から流れてきた桃から子供が生まれる。これは、まるでゲームの始まりのような話です。

で、なんやかんやあって、犬と猿ときじをお供にして、鬼退治にいくとか、まるで、ゲーム、RPGそのものじゃないですか、とか。
昔は、今のようなコンピューターゲームはなかったのに、「桃太郎」はゲームの世界と同じ構成で、ゲームに近い体験、体感が得られる。昔の人にとって、昔話は、ゲームだったんだなと思う、とか。
犬と猿ときじが家来という、この役に立たなさ感が半端ないところ、それしか家来がいないところ、でも、その中で、主人公が負けそうに、くじけそうになりながら、ラスボスに向かっていくところは、僕の好きなゲーム○○のどの場面とそっくりですとか。でも、この役に立たなさそうな感じから、犬は忠実さを、猿は知恵を、きじは空を飛ぶ自由を、これはゲームの世界にもある・・・・とか。とにかく、適当に結び付ければ、いいのです。

 

ゲームはやや結びつけやすそうですから、恐竜の場合はどうか、考えてみます。

 

ところで、僕(私)は恐竜が好きで、とくに、○○が好きです。どこが好きかというと・・・、恐竜のフィギャアもいっぱい持っており、恐竜のでる映画やアニメなどもたくさん見ています。・・とか、同じように好きなことを適当に書きます。
そして、それを無理やり、物語と関連づけます。
桃太郎は、どこか遠くの海にある鬼ヶ島に行って、鬼を征伐するのですが、本当に鬼が棲む鬼ヶ島というような島があるのでしょうか。鬼だったのか、鬼のような巨大な生物がいきていたのか、僕の好きな恐竜は巨大な爬虫類だそうですが、そんなものが本当に生きていたとは今の時代からは考えられません。しかも、地球上にいたあのような巨大生物があるとき忽然といなくなり、絶滅したそうです。ますます、信じられません。でも、えらい科学者の人たちに本当であると証明されているそうです。それを、考えると、昔は、鬼ヶ島に鬼と言われる巨大生物が本当にいた可能性があるかもしれないと思います。いや、今もどこかに鬼に近い生き物がいるかもしれません。いや、いるに違いないです、とか。ひょっとすると、鬼が桃太郎に退治されたように、恐竜も誰かに退治されたのかもしれません。恐竜の時代にはまだ、人類は生まれていなかったようですが、あの恐竜を絶滅させるだけの力をもっていたのは宇宙人じゃないでしょうか。そう思うと、川の上流から流れてきた桃の中から出てきた桃太郎というのは、空からやってきた宇宙船の中からでてきた宇宙人の話のようにも思えてきました。そして彼らが、鬼である恐竜を退治したのです。 とか、適当なことを書けばいいのです。

 

どうやって、結びつけるのか、ここは少し頭を使わないといけませんが、関係のなさそうな2つのことをいかに関連づけるか、こういうトレーニングをしたり、こういう力をつけておくことはいろいろなことに役立つと思います。

 

【4】最後にまとめ的なことを書きます。

まとめのようなことは、あった方がおさまりがよくなるので書くべきです。だいたい、頑張って長い文章を書いたりすると、どうやって終わったらいいかわからなくなってしまうので、最後にまとめ的なことを書くと終わりやすくなります。
一応まとめとして、これで終わる感をだすのがいいです。だから、最後に、本当にこの本を読んでの感想、例えば、おもしろかった、とか、読む価値のある本だった、とかでもいいです。もう少し、体裁を整えたかったら、この本を読んで、自分の中にどういう変化が起こったか、今後はこう考えていきたいとか、こうしてみたいとか、いうようなことが書ければすばらしいです。


「桃太郎」ですと。

今回、僕は、僕のすきなゲームのような感覚で、「桃太郎」を読むことができした。これは、とても新鮮な経験でした。今まで、昔話とか全然おもしろくないし、と全く興味がありませんでしたが、改めて読んでみると、単純な話ですが、ゲームにも通じるようなところや、以外に深い意味を感じるところがあり、長い間生き残る話であるのも分かった気がしました。(物事こんなにはうまくいかないよなとも思いますし、鬼を退治して、財宝を持って帰る正当性はあったのかな、という気持ちもありますが、いろいろ考えさせてくれるお話で楽しかったです。)

 

とか、あまりおすすめはしませんが、どの本でも通用するような、

 

読書感想文は何を書いたらいいのか、いつもわからなくて嫌いでしたが、今回、自分の中で何か引っかかってくるものはないのかを意識しながら、ゆっくり丁寧に読んでみると、いろいろことに気づかされ、考えさせられました。あらためて自分自身を見直すいい機会になったと思います。相変わらず、読書感想文を書くことは嫌いですが、こういう経験も重要なことだというのがわかりました。

とかです。

 

本を読むのは楽しいことです。単純におもしろいければそれでいいのですが、やらなければいけない宿題なら仕方がないので、とりあえず、何でもいいから、書いてしまいましょう。別にどうでもいいです。
楽しい読書が読書感想文のために嫌いになるのはもったいないです。

 

「読書感想文は嫌いになっても、本をよむことは嫌いにならないでください」
と、前田敦子さんか、キンタロー。さんも言っていました。違うかな、あ、今回の話は、「金太郎」ではなく、「桃太郎」でしたね。
では、みなさんの健闘を祈ります。

-今月の一曲-


SEKAI NO OWARI 「PLAY」


今回は、別にゲームの話ではなかったのですが、ゲームの話がでてきたので、ゲームに関する名曲、SEKAI NO OWARIの「PLAY」です。
SEKAI NO OWARIは、ボーカルのFukaseくんが、ADHDであったり、パニック障害、強迫性障害などから、精神病院閉鎖病棟へ入院となったり、自分の世界はもう終わったと思ったときに、音楽と今の仲間がいると、もう一度「世界の終わり」から始めようと名付けたバンド名だそうです。この曲も世界の終わりからの冒険にふさわしい曲ですが、作詞作曲はSaoriさんです。

 

冒険の始まりは僕の中のここじゃないどこかへと行ってみたい気持ちだから 
どんなに険しい道にはばまれようと その気持ちこそが僕の唯一の魔法だよ

 

Play (youtube.com)

 

著者 たかの発達リハビリクリニック 
院長 高野 真

小児神経科・リハビリテーション科・児童精神科
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